ご先祖供養[お仏壇の種類]

お寺には、広大な敷地と多数の伽藍を連ねた巨刹から小さなお堂まであります。 同じように、お仏壇の種類もさまざまです。

金仏壇と唐木仏壇

お仏壇は、まず「金仏壇」と「唐木仏壇」の二種類に分かれます。

金仏壇(漆塗り金仏壇)

金箔・金粉で仕上げられており、漆と金の輝きが荘厳な印象を与えます。金具・蒔絵・漆塗り・彫刻・組屋根など日本の伝統工芸を駆使して作られています。木地には欅・杉・檜などが使われ、上から何重にも漆を塗ります。内部は「荘厳づくり」の細工が施されており、非常に豪華です。漆を塗る回数・金箔・金粉の量・彫りの精巧さによって、価格が違ってきます。

唐木仏壇(木地仏壇)

中国・インドネシア・東南アジア・日本産の丈夫で美しい木材を仏壇に使用したもので、明治末期から作られ始めました。原木の種類は屋久杉・黒檀・紫檀・桜・欅・柿・鉄刀木など、さまざまなものがあり、材料の色・木目の美しさが生かされています。唐木仏壇は、どれも耐久性に優れ落ち着いた重厚な風合いを見せるお仏壇です。お部屋の雰囲気や、安置する場所に適したもの、ご自身の趣味に合わせて選ばれるとよいでしょう。

お仏壇の基本主材

お仏壇を選ぶ際に注意しておきたいのは必ずしも大きい仏壇が小さいものより高価だとは限らないということです。その理由はまず素材の違いによるものです。紫檀・黒檀・鉄刀木・シャム柿・欅(ケヤキ)など銘木を使用した仏壇もある反面、圧縮ボードに木目を印刷した塩化ビニールシートを貼り付けた素材のものもあります。これを使用すれば安価に造られますが、長期の使用には難があります。
また、普通、基本主材は芯材に天然の原木を練り付けて用いられますが、加工の違いで「張り」「練り」「無垢」の三種類があります。

張り

黒檀・紫檀などを薄いものにし、それを芯材に貼り付けたもの。

練り

「前練り工法」これは厚さ5ミリ位の天然の板を図のように練りつける工法です。さらに「二方練り工法」「三方練り工法」「四方練り工法」と高級になるにしたがい、加えられる内陣の造作にも幅ができるので、仏師の技法やセンスが随所に表現されるようになります。

無垢

黒檀・紫檀などの原木をそのまま加工して使います。芯材をまったく使わない「総無垢造工法」ですから最も高級といえます。

お仏壇の基本主材

和材・唐木仏壇に使用されている主な木材と新素材は

和材桑・屋久杉・欅・檜・一位・楠・楢・栓・タモ・槐(えんじゅ)など
唐木材黒檀・紫檀・鉄刀木・ウエンジ・黄王檀・シャム柿が唐木の代表的なものとされていますが、最近では資材の保全と自然保護等により極端に品不足になっています。
洋材ローズウッド・ウォールナット・チーク・マホガニーなど
その他芯材としてセプター・マトア・カポール・ベルプックなどが使用されています。
新素材ベニヤ・圧縮ボード・集成材などがあります。圧縮ボードは新素材として建築材には欠かせない素材ですが、仏壇では修復が出来ないなどのため安価な仏壇以外にはあまり主材としては使用されません。

※(注)上記の杢目を紙や塩化ビニール・ボードなどに直接印刷して造られる工法がありますが、およそ二〜五年くらいでハガレ・色調変化等があらわれる恐れがあり修理不能の状態になる場合があります。従ってそのような素材で造られたお仏壇は短命の製品といえましょう。

材質の特徴(長所・短所)

転写及び塩化ビニールシート 印刷特有の美しさは総ての杢目が同じであるということですが、カラーインキは残念ながら必ず色が褪せてきます。また、ビニールの素材は、暑さ・寒さに伸びたり縮んだりします。従って木部やボートからはがれる恐れがあります。ビニールや紙の印刷ですから修復が出来ないのが最大の欠点です。
圧縮ボード燃えにくい素材として建築材には欠かせない素材です。紙を圧縮して造られた素材ですからユニット家具などの安価な品に多く用いられています。仏壇でも安価なものには主材として使われていますが、水や衝撃に弱く修理再生が出来ないのが欠点です。
集成材小さな木片を寄せ集めて造られた素材です。芯材として比較的狂いが少ないのでテーブルや、天板などに多く使用されています。小口の納まりなどに若干の問題が残りますので芯材としては高価なためあまり仏壇には使用されていません。
化粧ベニアベニヤの表面に0.2ミリくらいにスライスした突板を貼り付けた素材です。建築や家具・仏壇などに幅広く使われています。小口面や角面のおさまり又、彫刻などが出来ないのが欠点です。しかしベニヤが芯材ですので割れない点が長所の素材です。
突板天然の原木を厚さ0.2ミリくらいにスライスしたものを突板と称します。これを芯材に貼り付け、様々な製品を造り出す貴重な素材です。しかし短所は極めて薄いため深みが出ないという点でありましょう。長所は矢張や象嵌などの細工がしやすい点です。
ムク板天然の造り出す本物にはどんなことをしても勝てません。暖かみ、自然の潤い、風格にはどんな素材も及ぶものではありません。仏壇の高級品にはムク板をふんだんに使用した練り工法や無垢そのままの丸太造り工法の特別品があります。

原木の主な産地と樹木の特徴(日本の部)

1格調が高い
2強度が大で耐久性に勝れている
3菌や虫に犯されにくい
4乾燥性が良い
5木質が緻密で木目が美しい
6時を経るうちに気品が高まる
以上6点を重視し、古来から現在に至っています。
屋久杉(やくすぎ)日本の樹木の中では銘木中の銘木。大きな木ですが杢目が細かく、とても美しい素材です。特徴は素晴らしい自然の香り、時が経るにつれ何ともいえない色調に変わり、ますますその味わいが深まり品格が高まります。大自然の妙香を備える最高の宮殿(仏壇)にふさわしい素材です。
欅(けやき)欅にまつわる民謡は数知れぬほどあります。それほど日本人に親しみ愛されてきた準和木です。杢目の美しさは世界屈指の銘木で重厚な上に耐久性がよく寺院や神社の建築材としても多く使用されています。欅の持つ気品は高級指物や仏壇にいかんなく発揮され名品となります。
桧(ひのき)桧は常緑高木で日本を代表する第一級の銘木。材質は帯黄白色で緻密な上、光沢、芳香があり耐久力が強いので、諸々の材の中でも最も用途が広く建築材として最良の素材です。また古来より超一級の仏像はこの桧の内杢を使用して創作します。さらに神殿や神徒壇も神聖なる樹木として桧を使います。
楢(なら)主に北海道に生育する楢は量の豊富さと質の良さで世界的に有名。高さは15〜30cmになります。実はドングリで木質は硬質。やさしい杢目や色調が好まれ婚礼家具やサイドボード・書棚などに多く使用されています。落ち着いた色合いが良いと仏壇にも使われる様になった貴重な素材です。
槐(えんじゅ)槐はマメ科で落葉高木です。原産は中国ですが北海道にも豊富に成育しています。ここでは和木としてご案内いたしますのは、古来より日本建築の床の間や玄関の上がりカマチなどに魔よけとして使われてきた由来があるからです。仏壇でもこの魔よけの意が重視されるのと、木の持つ硬質で緻密さがその風格及び気品に満ちていると好まれ使用されているのです。
桐(きり)栓(セン)ウコギ科で正式に針桐と称します。山地に自生し高さは20~25mになります。材質は軟らかく杢目は粗いがやや白い。くるいが少なく、耐火性があり吸湿性も少ないので琴、箪笥などの家具や仏壇に使用されています。

仏事の心得

Buddhist

ご葬儀の心得

ご葬儀が終わったら、さまざまな手続きを済まさなくてはなりません。しかし、遺産相続や名義変更の手続きには複雑な面もあり、トラブルを引き起こしてしまうことも考えられます。

初七日法要から忌明け法要まで

初七日法要は亡くなった日から数えて七日目におこなう最初の法要です。しかし最近ではご葬儀当日に遺骨が戻ってきたところで、引き続き初七日法要を営むことが多くなりました。その後、四十九日、百ヶ日の法要と続きます。

年忌法要

次の大事な法要は一周忌法要です。臨終から数えて丸一年後が一周忌となり、丸二年目が三回忌です。以後七、十三、十七、二十三、二十五、二十七、三十三、三十七、五十回忌と続きます。

墓地・墓石の購入

墓地の購入は一般の商取引とはやや性格を異にし、通例、子孫が墓地を承継する限り使用権が連続する「永代使用権」を取得するということになります。

お彼岸法要

“暑さ寒さも彼岸まで”といわれるように季節の代名詞みたいに思われがちですが、彼岸は聖徳太子のころからある「仏道修行週間」で、今日風にいえば“○○週間”のはしりなのです。

お盆法要

お盆は正式には「盂蘭盆会(ウラボンエ)」といいます。これは、インドの言葉の一つ、サンスクリット語の「ウラバンナ」を感じで音写したもので、略して「お盆」と呼んでいます。

ご先祖供養[位牌について]

亡くなった方を象徴するお位牌は故人のお姿そのものであるという思いが偲ぶ心の拠所になるのです。

ご先祖供養[お仏壇とは?(由来と意味)]

仏教伝来は欽明天皇の時代(522年)に百済の聖明王からの貢物として釈迦の金剛仏一体と幡蓋若干・経論若干巻が献じられた事から始まり、様々な事柄を経て、その後、聖徳太子(574〜622)が仏教精神を政治に取り入れ(憲法十七条第二条)天下に公布されたのを機に貴族社会に広がりました。

ご先祖供養[お仏壇の必要性・購入時期]

信仰心の篤い日本人は仏様の教えを通じ自らの生業の問題や人々の幸せを願い、一心に仏様に帰依し感謝の念を深め、ご本尊さまを通じ先亡久遠の先祖さまをご供養(おつとめ)するためにお仏壇をお祀りします。

ご先祖供養[お仏壇の種類]

お寺には、広大な敷地と多数の伽藍を連ねた巨刹から小さなお堂まであります。同じように、お仏壇の種類もさまざまです。