伊勢参り(いせまいり)とは、伊勢神宮に参拝すること、またはその人を指す言葉です。伊勢参宮とも呼ばれます。
伊勢神宮は、総祖先である天照大御神を祀る神宮として、五穀豊穣を願う誰もが参拝する権利があると許可されていました。古代には皇室の祖先神とされており、勅許を得なければ参拝することはできませんでした。しかし、律令制の衰退とともに一般の社寺参詣の影響を受けるようになり、民衆の信仰の対象となっていきました。
江戸時代には、約60年に一度、全国から大勢の人が伊勢神宮を一斉に参拝する「お伊勢参り」という大流行現象がありました。これは、仕事をしていた人が急に思い立ち仕事を抜け旅立つことから“抜け参り”、神々のおかげをいただくことから“おかげ参り”とも呼ばれました。